【レポート】
建築と地域デザイン:建築とは環境を創ること。建築を通して感じた地域の可能性


講師:建築家 前田圭介 氏
日時:2017年9月9日(土)19:00~21:30
会場:知遊館
参加者:75名


今回のリベラルアーツコースは、建築という手法を通して、住まい、お店、地域の可能性を生み出し、まちづくりの現場にて活動を続けている建築家の前田さんに講義いただきました。
「建築に興味がある人を創り出すことが私のテーマです」と話す前田さん。とても多くの具体的な事例をもとに丁寧に説明いただきました。夜間開催にもかかわらず75名の受講生の皆さんは、2時間半にも及ぶ長丁場、前田さんの話に集中し、講義後は様々な質問が寄せられ大盛況の講座となりました。

広島県福山市出身の前田さん。「地方で生きる自分たちだからこそ自分たちで可能性を生み出し、そして世の中に認めさせていかなくてはいけない。自分の住む町のまちづくりを行うということは失敗できない。明日も、その次の日も、毎日私たち家族はここで生きていかなくてはならないのです。だからこそ地元の人間として本気で取り組むことができる。」と地域で生きる者として地域現場への想いや責任感に関しても語られました。

住まいやお店、地域の資産価値を上げるための要素を建築で足していく。まるでエステにいくような気持ちで通える歯医者さんや、乳児の目線になって良い環境を創り出した保育園のプロジェクト等、来訪者や利用者に向けての「サービス」が「建築技術」で形になる様子を具体的な実例を通して学びました。

なかでも、福山市の商店街活性化プロジェクト「とおり町ストリートガーデン」の事例では実際の地元地域との打ち合わせの進め方や、困難を極めた実現までの建築現場でのストーリーを説明いただきました。

「あるく喜びをもう一度取り戻させる」。その想いのもと5年を費やし誕生した商店街の新たな景観は利用者や住民からも好評で、デザイン自体も話題を呼び、新たに商店街で出店する人も増え、時と共に人の流れが変わったシャッターの目立つアーケード街成功事例となっています。前田さんが講義中に映し出された多くの写真や映像によって、受講生はこれまでの取り組みを直に体感し、その場にいたかのような時間として過ごすことができました。

 

講義終盤には、新たなものを創り出すだけでなく、昔のものを残す、昔の暮らしを体験できるところを生みだす空き家の取り組み事例を紹介され、「身近なもの、あたりまえのものは描きにくい、都会のものではなく今ある価値を見出す。そんな受け継ぐ精神が大切」と説明されました。

受講生それぞれが、自身の住まい、お店、地域に対して、「資産としての価値の上げ方」、「可能性を高める考え方」について学ぶ講座となり、講義後には受講者と講師による名刺交換などが盛んにおこなわれました。

レポート作成:一般社団法人プレイス

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